360度動画からフォトグラメトリーで3Dモデル作成!(公開編)

前回の公開編では、360度動画から切り出した画像を元に、3Dモデルが出来上がりました。
いよいよ公開…の前に、出来上がった3Dモデルを整える必要があります。
地味~な作業になりますが、根気よく頑張りましょう!
※3Dモデル作成までの解説は、前回記事【360度動画からフォトグラメトリーで3Dモデルを作成!(作成編)】を参照ください!

今回は、作成したモデルの整形から公開までを解説していきます!

360度動画から切り出した画像でフォトグラメトリー

今回は以下の手順でご紹介します。
1)データの整形
2)3Dモデルのエクスポート
3)3Dモデルのアップロード

今回の検証では、取り込める画像が500枚までの「3DF Zepher Lite」を使用していますので、500枚の画像を取り込む前提で進めていきます。

それでは、公開編のご紹介です!

1)データの整形

まずは、データの整形です。
500枚の画像を読み込み、3Dモデルが生成されました。
このままこれを公開…と、いきたいところですが、まずはデータをトリミングしてあげましょう。
何をするかというと、3Dモデルを範囲選択して、不要な情報を削除していきます。

3DF Zepherの場合、範囲選択の方法としては5つありますが、私は「長方形」「ポリライン」「ボックス」を多用します。
ここでは、私がよく使う手順で紹介したいと思います。
「ボックス」→「長方形」→「ポリライン」の順に行っていきます。
まずは、「ボックス」で、大まかな使用範囲を選択し、選択範囲を反転させてから削除を行います。

その後、角度を調整しながら「長方形」で削除を行い、細かな部分は「ポリライン」でトリミングしていきます。

2)3Dモデルのエクスポート

トリミングが完了したら、出力>テクスチャ付メッシュを出力を選択して、
オブジェクトファイルを出力します。
このとき、mtl,obj,pngの3つの拡張子のファイルが作られます。

mtlファイル…モデル色やテクスチャ情報
objファイル…頂点、法線などの情報
pngファイル…テクスチャ画像(3DF Zepherでは、JPG,PNG,EXR,TIFF32BITから選択できます)

ファイルのエクスポートが完了したら、次はこれらのファイルをアップロードしていきます。

3)3Dモデルのアップロード

エクスポートしたファイルを共有するためには、
ビューワーと呼ばれるサービスに3Dモデルをアップロードする必要があります。
また、今回のアップロードでは、無料で利用できるサービスを使います。
いくつかサービスをピックアップしましたので、参考にしてください。

Sketchfab

https://sketchfab.com/

<概要>
ビューアーの機能、サービスの安定性などに定評があります。
無料プランでは、1モデル50MB制限があります。
また、月に1モデルしかアップロードできません

<特徴>
アップロードされた3Dモデルの参照性が高く
ワイヤーフレーム表示やVRビューワー機能もあります。

Poly

https://poly.google.com/

<概要>
Googleが展開する無料の3Dオブジェクトライブラリです。
アップロードした3Dモデルのスマートフォンからの参照も簡単で、
3Dモデルを共有したい場合などにも使い勝手が良いと思います。
こちらは、最大100MBまでのアップロードに対応しています。

<特徴>
著作権に関する情報を表示することで自由にコンテンツを使用できる形での公開が可能なため、
公開されているファイルを直接ダウンロードすることも可能です。

STYLY

https://styly.cc/ja/

<概要>
ウェブブラウザ上の操作でVR空間を作成・公開が可能です。
また、すべての機能が無料で利用可能なのも特徴のひとつです。
ブラウザだけでなく、STYLYのアプリ上からも参照可能です。

<特徴>
用意される空間には、3Dモデル以外にも動画や音楽、画像ファイルなども一緒にアップロード可能です
3Dモデル単体ではなく、難しい知識がなくともブラウザ上の操作だけで、手軽にVR空間を作り出すことができます
空間に追加できる3Dモデルの互換が豊富で大方のサービスから3Dモデルを持ってくることができます。

試しに、STYLYにアップしたものがこれです。

フォトグラメトリーで作成した秋田犬の銅像に、吹き出しの画像ファイルをあわせてみました。
STYLYでは、このように様々なファイルを組み合わせて、3D空間を作成することができます。

まとめ

いかがでしたか?
今回は「公開編」として、フォトグラメトリー実行後の3Dモデルの整形から、ファイルの公開までを解説しました。
ファイルをアップロードする際には、ファイルの容量制限にも気をつけてください。
高解像度の画像を用いた制度の高い3Dモデルの場合、50MB(100MB)制限の中で表現するのは実は結構至難の業だったりします。。(実は、最所はここでつまづいてしまい、ファイルサイズの削減作業に苦労しました。。)
これは滅多にないとは思いますが、場合によっては、あえて荒目の画像からフォトグラメトリーを実施する、ということもあるかもしれませんね。
それでは、次回をお楽しみに!