秋田犬 フォトグラメトリー

フォトグラメトリーとは?

今回は、写真から空間やモデルなどの3Dデータを作成できるということで関心が高まっている「フォトグラメトリー」について、仕組みや歴史、特徴についてまとめてみたいと思います。

フォトグラメトリーとは

フォトグラメトリー(英:Photogrammetry 日:写真測量法)とは、写真や動画から3Dデータを生成する手法で、様々な観測点から撮影した写真(動画)の視差情報を解析・統合して、物体や空間、建築物などの3Dデータを生成するものです。

フォトグラメトリーは写真から3Dデータを作成するため、カメラとソフトウェアがあれば作成することができ、高度なセンサーを必要とする3Dスキャンを用いた方法に比べると手軽に導入できるのが魅力です。
また、データの取得も写真撮影という形で行われることから、写真撮影のコツはあるにせよ、単純作業かつ短時間でデータ取得が行えることも、フォトグラメトリー導入のメリットのひとつに挙げられます。

現在では、古くからこの手法が利用されてきた測量や地図作成の分野にとどまらず、航空宇宙・自動車・輸送や重工業の各産業における品質管理・製品開発や、警察による交通事故の現場検証や犯罪現場の再現、地質学における遺跡のデジタルコピーなど、さまざまな分野で利用されており、今後もさらに活用が広がっていくと考えられます。

フォトグラメトリーの仕組み

フォトグラメトリーの図式化

フォトグラメトリーでは、形状をデータ上で立体的にとらえた値(三次元測定値)をそれぞれの写真の差分から抽出することができ、抽出された情報から、カメラ位置を割り出すこともできますし、写真の縮尺がわかっている場合には、画像上の距離を求めることも可能です。

この技術の要となる計算アルゴリズムは、対応点の相対座標からカメラの相対的位置と向き(動き)を復元することから、Structure from motion(SfM)と呼ばれています。

フォトグラメトリーの歴史

ハチ公 ar gif

3Dデータの生成と聞くと、新しい手法のようにも思われますが、フォトグラメトリーという用語の登場は意外にも古く、ドイツの工学者Albrecht Meydenbauerによる1867年の記事「フォトメトログラフィ」に登場しています。また、フォトグラメトリーの歴史としても古く、19世紀には存在していましたが、実際に現場に行って測量した方が正確で早いことから、主には上空からの写真から地形図を作成するといった、特殊な用途に使われるにとどまっていました。

その後、2000年代に入り、上述のSfMと呼ばれる計算アルゴリズムが発展したことや、高性能なデジタルカメラの普及や解析ソフトウェア普及などにより、フォトグラメトリーはより身近な技術となり、その寸法データは人間が手作業で行う実測よりもミスが少なく、より正確なデータが取れるようになり、様々な分野でも活用されるようになりました。

フォトグラメトリーの特徴

フォトグラメトリーの特徴としては、

  1. 写真を撮るだけで3Dデータが作成できる。
  2. 実寸に比べて、より正確な寸法や質感のデータが取れる。
  3. 特殊な環境下においても正確なデータが作成できる。

の3つが挙げられます。
それぞれの特徴について、解説します。

特徴1.写真を撮るだけで3Dデータが作成できる。

ゲーム業界では,3Dデータを最初に制作してから、そこにカメラで撮影した木や大理石などを元にしたテクスチャを貼り付けていくのが一般的です。

しかし、フォトグラメトリーを利用することで、数千枚、場合によっては数万枚という写真を撮影する必要はあるものの、その後はソフトウェアによる処理で、(想像の世界を作り出すことはできませんが)精巧な3Dデータを作成することができます。

最近では、ファイナルファンタジーバイオハザードなどのグラフィック制作にも用いられています。

特徴2.特殊な環境下においても正確なデータが作成できる。

ドローンを利用することで、建物や地形の3Dデータを作成することも可能ですし、衝突が心配という場所についても、写真データが撮れれば良いということで、ロープウェイ型のロボットが開発されるなど、方法についても新たな方法が生まれてきています。

また、空中の撮影にとどまらず、レーザーによる距離測定が困難な水中においても、フォトグラメトリーの技術が利用されています。例えば、流れのある水中でメジャーを伸ばして測定したりすることは時間も労力もかかりますが、フォトグラメトリーを用いた場合の作業は、写真撮影を行うだけで、生成された3Dデータから測定することも実現できます。

特徴3.質感まで表現することができる。

フォトグラメトリーは写真データが元となっているため、精度の高い3Dデータでは、例えば、木材の年輪やノコギリ痕、木釘の穴などの実物の質感や、服のシワの質感や顔の細かな造作など、リアルな質感を表現することができます。